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熊本地方裁判所 昭和30年(行)10号 判決

原告 岡原直八

被告 熊本国税局長

主文

原告の請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は、「被告が原告に対し(一)原告の昭和二十六年度分所得税に関し同三十年四月二十五日附を以てなした審査決定中原処分を取消した部分を除く部分、(二)同二十七年度分所得税に関し同三十年四月二十六日附を以てなした審査決定中原処分を取消した部分を除く部分、(三)同二十八年度分所得税に関し同三十年四月二十六日附を以てなした審査決定はいずれもこれを取消す、訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、その請求原因として、「原告は古物商の免許を受け、屑鉄地金類の卸販売を業とするものであるが、

(一)  昭和二十六年度分所得税につき熊本税務署長に対し同年中の総所得額を二百五十万円として確定申告をなしたところ、同署長は同二十八年十月十六日原告の同年中の総所得額を三千八万八千百円と更正決定したので、原告は所定の期間内に直接被告に対し審査請求を為したところ、被告は同三十年四月二十五日附を以て原処分の一部を取消し、原告の所得額を千二百四十万八千五百円とする旨の決定をなし翌二十六日その旨原告に通知して来た。しかし当初原告のなした申告には多少の違算はあつたが、同年中の原告の総所得額は右決定額を遙に下廻る九百七十万七千五百五十七円であつて、その内訳は事業所得九百六十四万七千八百六十七円、不動産所得(貸家賃料)二万九千百六十円、利子所得(預金利子)五百三十円、雑所得(貸金利子)三万円ということになる。而して右事業所得の計算関係は次のとおりである。即ち同年中の営業上の総売上高は六千三百三十七万三千百六十五円でその仕入価格は帳簿、伝票その他一切の商業帳簿を備えていないためその実額を算出することはできないけれども売上の八割以上に当つていたことは間違いないので年間の荒利益歩合が二割に達しなかつたことは明かであるが、これを二割と見ても年間荒利益は千二百六十七万四千六百三十三円となる。そこでこれから営業経費として雇人給料八十一万六千五百六十六円、地代一万六千二百円、自動車損料二十四万円、通信費二十六万円、交際接待費三十万円、交通旅費四十万円、文具消耗費二万四千円、仲介料謝礼三十万円、運送賃四十万円、荷馬車賃十二万円、雑費十五万円、合計三百二万六千七百六十六円を控除したものが前記事業所得額ということになる。

(二)  次に原告は同二十七年度分所得税に関し同年中の所得を百六十八万九千六百円として確定申告をなしたところ、熊本税務署長は同二十九年六月十七日総所得額を八百二十万百円と更正決定したので、更に前年分同様適法の期間内に直接被告に対し審査を請求したところ、被告は同三十年四月二十六日附を以て原決定を一部取消し、原告の総所得額を七百三十九万八千四百円とする旨の決定をなし、翌二十七日その旨原告に通知して来た。しかし同年中の原告の総所得は申告の際の誤算を修正しても右決定額の半額にも足りない三百十九万七千八百八円に過ぎず、その内訳は事業所得三百十六万千九百二十八円、不動産所得(貸家賃料)三万五千八百八十円であり、右事業所得の計算関係は次のとおりである。即ち同年中の営業上の総売上高は五千百六十八万円であつて、その仕入価格は前年同様帳簿に記載がないためその実額は判らないが、同年中には朝鮮事変の休戦が実現したためその前半において古地金類は価格暴落し、損失が多大であつたので、年間を通じて平均すれば荒利歩合は一割二分にも達しなかつた。そこでこれを一割二分と見込んでも同年中の荒利益は六百二十万千六百円で、これから営業経費として、雇人給料六十八万九千二百七十二円、地代五万四百円、自動車損料六十三万六千円、通信費十八万円、旅費十二万円、公課三万六千円、交際費六万円、事務用費二万四千円、謝礼、口銭三万円、荷造費十八万八千円、運送料八十七万六千円、雑費十五万円合計三百三万九千六百七十二円を控除した三百十六万千九百二十八円が同年中の事業所得になる。

(三)  更に昭和二十八年度所得に関しては、原告は同年六月熊本市を襲つた大水害のため営業上多大の損失を蒙つたので同年中は全く所得がない旨を同署長に申告したのであるが、同署長は同二十九年七月二十六日原告に対し同年分所得を三百六十九万五千八百五十円と更正決定したので、原告は前年同様法定期間内に直接被告に対し審査を請求したところ、被告は同三十年四月二十六日附を以て原告の審査請求を棄却する旨の審査決定をなし、翌二十七日その旨原告に通知して来た。しかしその後水害による損失等を算定し直した結果によるも同年中の原告の総所得は百五十五万八千八百二十一円に過ぎず、その内訳は事業所得百五十二万二千九百四十一円、不動産所得(貸家賃料)三万五千八百八十円であつて、右事業所得の計算関係は次のとおりである。即ち同年中の営業上の総売上高は三千九百二十一万七千四百三十六円であつて、これ亦その仕入価格は判らないが、同年中の荒利益歩合は平均して一割八分に満たなかつたので、これを一割八分として計算すれば年間荒利益は七百五万九千百三十八円であり、これから営業経費として雇人給料八十四万八千七百九十七円、地代五万四百円、自動車損料九十五万円、通信費二十万円、旅費十五万二千円、公課金三万六千円、交際費八万円、事務用品費二万四千円、謝札、口銭五万円、荷造費十四万円、運送費六十万円、雑費十五万円合計三百二十八万千百九十七円及び水害による商品濡損二百二十五万五千円を控除した百五十二万二千九百四十一円が同年中の事業所得に当るわけである。

以上の次第で各年度について叙上原告の計算を超過する所得額を認定した被告の審査決定はいずれも不当であるからその取消を求めるため本訴に及んだ」と述べ、被告の答弁に対し、「被告が本件各所得額を決定した当時原告において正規の営業帳簿を備付けていなかつたため被告が各年度における原告の収支関係全般を帳簿によつて明かにすることができないとして原告との取引先を調査して原告の年間売上高を捕捉集計した上(原告が既に述べた各年度の売上総額と同額)これに被告がその主張の如き方法により作成した所得標準率を適用してその主張の如き計算関係の下に原告の各年度における所得額を算出決定したこと及び右標準率が熊本国税局管内の古地金卸販売業者に関する営業売上の利益歩合の平均を示す数字であることは認める。又原告が営業帳簿類を備付けていない以上被告が推計課税の方法により所得額を決定することはその基礎となる標準率が合理的である限り異議はないが被告の適用した右標準率は全く原告の業態に適合しない不合理なものであるから之を基礎とした被告の所得額の決定には承服できない。即ち同じ古地金類の卸販売業者といわれる者にも二種の形態があつて、普通の業態は屑屋、拾い屋などの集めた零細な古地金を買集めて地金の種類毎に分類し、これを更に規模の大きな業者に売渡すだけであるが、これら小規模の業者とは別に強大な集荷販売の組織を持つて小規模の業者が集荷した地金類を買付けて集積し、直接大口需要者に売捌く古地金問屋が存するのであつて、原告はその内後者の古地金問屋に属するものである。ところで小規模の業者はその業態からして或程度安定した高率の利潤を挙げうるのに反し大規模の問屋は取扱数量が大きいため利潤率は低く且つ大口の需要者を取引の相手方としている関係でその利潤率は経済事情の変動に極めて敏感に影響せられる関係にあり、利潤率に関する限り小規模の業者とは全く共通の要素を有しないところ、被告の適用した標準率はその係数からみて普通の小規模の集荷業者に関するものであつて、原告の如き大規模の業者は全くその適用の埓外にあることが明らかであるから、結局被告としては他に拠るべき基準のない以上納税義務者にして且つ取引の実情を最もよく承知しておる原告の申立てるところを基礎として、荒利歩合、営業経費等の実情を具体的に調査した上飽くまで事実に即した所得額を把握認定すべきものであるに拘らずそのような調査を何ら尽すことなく漫然右標準率を用いて本件各所得額を推計により算出決定したことは甚だ不当である。」と反論した。(立証省略)

被告指定代理人は、主文同旨の判決を求め、答弁として、「原告主張事実中原告がその主張の如き事業を営んでいること、原告が熊本税務署長に対し昭和二十六年、同二十七年、同二十八年各年度の所得税につきその主張の如き所得額の確定申告をなし、同署長が右確定申告について原告主張の如き更正決定をなしたこと、これに対して原告より直接被告に対して審査の請求があつたので、被告が原告主張のとおり夫々審査の決定をなし、その旨原告に通知したこと、原告の右各年度における営業外の所得、営業上の総売上高及び営業経費たる雇人給料並に地代の額がいずれも原告主張のとおりであること及び原告が昭和二十八年中水害のためその商品についてその主張の如き損失を蒙つたことは認めるが、その余の事実はすべて争う。即ち被告が認定した原告の各年度における所得額の内訳並にその算出の根拠は次のとおりである。先づその内訳は、(一)昭和二十六年度分所得額が、事業所得(古地金販売)千二百三十四万八千八百五十二円に原告主張の不動産所得(貸家賃料)二万九千百六十円、利子所得(預金利子)五百三十円、雑所得(貸金利子)三万円を加算した合計千二百四十万八千五百四十二円、(二)同二十七年度分が事業所得八百九万七千六百八円に原告主張の不動産所得三万五千八百八十円を加算した合計八百十三万三千四百八十八円、(三)同二十八年度分が事業所得三百九十万四千九百四十一円に原告主張の不動産所得三万五千八百八十円を加算した合計三百九十四万八百二十一円であるが、本件において事業所得を除くその余の分については争がないので以下各年度の事業所得額算定の根拠について説明することとする。元来事業所得額の認定はその年中の総収入金額から必要経費を差引いてその実額を算定すべきものであるが、この方法によるには、まづ年間の収入額及び必要経費を明確ならしめる正確な売上帳、仕入帳、経費帳、期首期末の棚卸表等の諸帳簿の記載の存することを前提とするところ当時原告は右算定の根拠となるべき営業帳簿等の資料を一切備付けておらなかつたばかりか課税当局の調査に対しても頗る非協力的な態度に終始したため被告は原告の営業に関する適確な収支計算をなすことができず、やむなく各年度ともその取引先を調査し取引先の帳簿の記載等によつてようやく原告の年間売上高を捕捉し得たが、仕入その他必要経費の実額についてはついにこれを確認する資料がなかつたので、被告において確知し得た前記売上高を集計した上これに被告が毎年管内の古地金卸販売業者を対象としてその業態、地域、規模等各般の事情を斟酌検討しその統計的な実態調査を遂げて作成した右業者に関する年度毎の所得標準率を適用して原告の各年度における事業所得額を算定するいわゆる推計課税の方法によることとした。即ち

(一)  昭和二十六年度分については被告において確認した年間総売上高六千三百三十七万三千百六十五円に対し同年度の所得標準率二六%を乗ずべきところ、納税義務者の実情を勘案して該標準率の二〇%以内の加減操作をなしうることになつているので、原告の事業規模が大で収入金額に比し必要経費が他の同業者より幾分多額を要するものと推定し、右標準率の二〇%を減算した二〇・八%の標準率を適用して得たいわゆる算出所得額千三百十八万千六百十八円から更に課税の均衡を図ると共に納税者の利益を考慮した上別途特別経費として被告が確認した雇人費八十一万六千五百六十六円並に地代一万六千二百円を控除した千二百三十四万八千八百五十二円を以て同年度の事業所得額となし、

(二)  同二十七年度分については被告の確認した売上総額五千百六十八万円に同年度の標準率一九%を乗ずべきところ、前同様の事情を参酌の上一〇%を減算した一七・一%の標準率を適用して得た八百八十三万七千二百八十円から特別経費として雇人費六十八万九千二百七十二円並に地代五万四百円を控除した八百九万七千六百八円を以て同年度の事業所得額と認め、

(三)  同二十八年度分については被告の確認した総売上高三千九百二十一万七千四百三十六円に同年度の標準率一八%を乗じて得た七百五万九千百三十八円から特別経費として雇人費八十四万八千七百九十七円、地代五万四百円並に水害による商品流出濡損額二百二十五万五千円を控除した三百九十万四千九百四十一円を以て同年度の事業所得とした。なお同年度分について標準率の斟酌を行わなかつたのは原告が事業規模を縮少した上に水害による商品の流出濡損について原告の申出額を認めこれを特別経費として営業利益より控除したためであつて、原告も右標準率の適用については何ら異議ない旨事前に申出ていたものである。

然るに原告は今に及んで根拠のない荒利益歩合並に営業経費を主張すると共に古地金の卸販売業者といわれる者の間には二種の業態が截然区別され、原告の如き大規模の古地金問屋には前記標準率の適用は許されない旨主張するが、古地金卸販売業者には原告主張のような明確な区別はなく、右標準率表に所謂「古地金卸販売業者」とはその規模に大小の差異はあつても夫々末端の業者が集めた古地金をとりまとめて需要者に売込む仕事に従事している者全般を指称するのであつて、業態により多少利益率の異る場合はあつてもその事業内容は共通でこれら個々の業者の利益率の平均が即ち前記標準率となつたものである。原告も営業規模は比較的大きい方であるが、標準率表に所謂古地金卸販売業者であることに変りはないから被告が原告に対し前叙のとおり右標準率を適用して本件各所得額を算定したことは推計課税の方法を認める法の趣旨にも合致した合理的且つ妥当な措置であることは勿論である。のみならず被告が確認した前記売上高は原告の主要な取引先のみを調査してようやく捕捉しえた数字であつて、実際の売上高が更に多額にのぼることは容易に推測される上に前記標準率の適用に当つても被告は昭和二十六年、同二十七年度分につき前述の如くその率を出来る限り引下げて適用しているのであるから被告の認定した本件事業所得額は寡少にすぎるということはあつても過大ということはありえない。従つて右に説示した各年度の所得額より更に下廻る所得額を認定しておる被告の審査決定には何ら原告主張の如き違法はないので之が取消を求める原告の本訴請求は総て失当であると述べた。(立証省略)

理由

古物商の免許を受けて屑鉄地金類の卸販売を業とする原告が昭和二十六年、同二十七年、同二十八年各年度の所得税につきその主張の如き確定申告をなし、熊本税務署長が右確定申告について原告主張の如き更正決定をなしたこと、これに対し原告より直接被告に対して審査の請求がなされ、被告が原告主張のとおり夫々審査の決定をなしその旨原告に通知したこと被告が決定した原告の右各年度における所得の中事業所得以外の分がいずれも原告主張のとおりであること及び右各年度に於ける事業所得額の決定に当り、被告がいわゆる実額計算の方法によらず被告主張の推計課税の方式によつたこと並にその算定に当り被告が適用した標準率が各年度における熊本国税局管内の古地金卸販売業者の営業売上に対する利益歩合の平均を示す数字であることは当事者間に争いがない。

原告は右各年度に於ける事業所得決定当時実額計算の基礎となるべき商業帳簿等一切の資料を備付けていなかつたので被告が推計課税の方式により事業所得額を決定したこと自体には異議はないが本件につき被告が適用した右標準率は、原告のように大規模な営業をなす地金卸問屋には適用さるべきものでないと主張するのであつて、その意味必しも明確ではないが、之を以て被告の適用した標準率は原告の如き大口の地金卸問屋を除外した小口卸売業者のみを対象として定められたものであるから原告のような業態の者に対し右標準率を適用したことはそれ自体が違法であるとの趣旨であるとするならば、右は全く原告の独善的解釈に基く謬論であつて前記標準率表が原告の如き大口卸売業者をも含む地金卸販売業者の総てを対象として定められたものであることは、被告の適用した標準率表であることに争のない乙第一乃至三号証の各一、二の記載自体並に証人西村行夫の証言に徴し疑問の余地がない。そこで原告の右主張の趣旨を被告が本件につき右標準率を原告の業態に適用したことの具体的妥当性の問題と解し以下この点につき検討する。

抑々事業所得額はその年中の総収入金額から仕入費用その他必要経費を控除した金額を正確に算出して決定すべき事が原則であることはもとよりであるがそのためには先ず年間の収入金額及び必要経費を明瞭ならしめるため正確な売上帳仕入帳諸経費帳等諸帳簿の記載の存することを必要とすべきところ原告はその自認するとおり此等の諸帳簿を一切備付けていなかつたのみか前記西村証人の証言により明かなとおり当局の調査質問に対して殆んど応答をなさず、非協力的態度に終始した為被告は止むを得ず熊本国税局管内における原告と同種の古地金卸販売業者につき調査作成し、国税庁の承認を得た標準率表(成立に争ない乙第一乃至三号証の各一、二)を適用し推計課税の方式により原告の事業所得額を決定したのであつて、その事は特に右標準率の適用が本件につき妥当を欠くとの反証のない限りこれを是認せざるを得ない。

ところで原告は右標準率の適用を争い、各年度に於ける原告の主張する荒利益歩合を基礎としこれより原告主張の必要経費を控除した金額を以てその年毎の事業所得額なりと主張するのであるが、所謂荒利益とは年間の総売上高より仕入価額を控除した額であるところ原告は本件審査決定のなされた当時はもとより本訴訟中に於てもその仕入額を明かに主張し得ず売上高と称するものも原告自身確定して申告したものではなく被告が原告の取引先の帳簿により調査確定し得た額を逆に自認したものであつてその主張する荒利歩合並びに必要経費の如きも証人山本賢の証言並びに原告本人の供述によつても何等首肯するに足る根拠は無く、却て右証人並びに本人の供述態度に徴するときは原告は本件に於て何等資料なくして勝手な荒利歩合並びに必要経費を主張し、それを基礎としてその主張する事業所得を算出したものと言うの外なく、その採るに足らないことは勿論である。のみならず被告が適用した前記標準率の適用を排除するに足る適正妥当な推計方式を原告と同種の業態にある一、二の者の荒利歩合を証人尋問の方法により明らかにする事により確定し得ない事はもとよりであるから右標準率の適用が本件の場合妥当を欠くとの原告の主張は結局排斥の外はない。

以上の次第で、本件につき被告が適用した前記標準率より更に合理的な他の推計方法に依るべき特段の事情の認められない本件に於て被告が各年度の実情に応じ、或は前記標準率をそのまゝ適用し、又は取扱として許される範囲に於ける減額操作を施した上更に原告の主張する雇人給料地代等の特別経費を控除して昭和二十六年乃至二十八年度に於ける原告の事業所得額を算定した事は誠に相当であつて右算定額より更に下廻る額を以て右各年度の事業所得額と査定した被告の本件審査決定には何等違法の点は存しない。

依て原告の本訴請求は何れも理由がなく失当として棄却することゝし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用し主文の通り判決する。

(裁判官 浦野憲雄 松本敏夫 中村修三)

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